Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
これまでの研究で、(1)いのちの大切さ・死の問題を子どもに教えるには、まず乳幼児期からの発達段階に即した子どもとの死に関することの対話が重要であるとし、(2)子どもが乳幼児期から死を含んだ生の重要性を内包させて成長することを促すためには、乳幼児に携わる人間の意識に迫ることが重要だと考え、将来保育者、教育者になる保育者養成課程に在籍する学生の意識調査をおこなった。その結果、(3)学生は、子どもにいのちの大切さ・死の問題を教える方法として絵本の読み聞かせを選択するものが大勢を占めたが、一方で、その絵本の教育・保育場面での取り扱い方が課題として浮かび上がった。そこで(4)保育者(養成課程在籍学生を含む)に求められる絵本の読解力について検討した。現代はいのちの大切さを実感する機会が乏しい時代であると同時に、死について子どもに隠蔽して生きるには過酷な時代である。そこで保育者に求められる能力は、絵本を読み聞かせる技能という初歩的な能力を超える能力である。それは、1)死に対する子どもの理解力を発達段階により理解する能力2)絵本の内容(死や老い、病い、別れ、喪失など)が、子どもにどのように理解されるのかをあらかじめ想定する能力3)絵本の内容が、子どものみならず、保育者自身の生き方とどのようにかかわり影響をもつのかなどを考察する能力以上は、保育者自身が絵本のストーリーと自己の人生の経験を照射し相互の深い考察のうちに意味づけを行う能力であり、そこから子どもに対してどのように絵本を読み聞かせ、どのように子どもに接していけばよいかを考える能力である。広い意味でこれらは読解力と呼ぶべき能力である。これらに対する意識付けが重要である。
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関西教育学会紀要 30号(印刷中)
四条畷学園短期大学研究論集 39号(印刷中)
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四條畷学園短期大学研究論集 第38号(印刷中)
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