Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究の目的は輻射流体力学の定式化を再構成して、効率的な数値計算手法を開発して、天体形成理論に応用することである。輻射流体力学の相対論的な定式化およびそれを用いた線形波動の詳細な解析は完成し、現在それをまとめた論文を投稿している段階である。その定式化に基づく計算法に関しても、非相対論的な問題での手法はほぼ完成したので、今後は種々の具体的な問題に応用することが可能となった。但し、今後も計算を高速化するための工夫を続けていく必要がある。上記の研究に並行して、星形成過程の具体的な現象論における近似的な輻射流体力学計算も進めた。具体的には、大質量星が形成された領域に広がる電離・解離領域の膨張過程を研究した。計算は球対称1次元で、輻射場に関しては2流束近似を用いているが、解離を起こす紫外線光子のライン・スペクトルを解く必要があるため、非常に困難な計算である。実際、相互作用する電離波面と解離波面の両方を一貫性をもって計算したのは世界的にも初めての試みである。その結果、一般的な条件の場合、電離波面のすぐ前面に立つ衝撃波によつて圧縮された高密度層での分子ガスの割合は非常に大きくなることが明らかになった。この層は重力不安定により分裂して次の世代の星形成を誘発するが、形成される星の中に大質量星が含まれる場合は、さらに多くの星形成を誘発するので、爆発的星形成のメカニズムとなるえる。詳細な解析に基づいてこの誘発的星形成理論の一般論を提唱した。これらの結果は、米国・天体物理学会誌(Astrophysical Journal)に投稿された3本の論文となり、現在そのうちの1本は発表済み、また1本が受理されて発表予定である。残り1本を再投稿している段階である。
All 2006 2005 2004 Other
All Journal Article (11 results) Book (1 results) Publications (6 results)
Astrophysical Journal 印刷中
Journal of Geophysical Research 印刷中
Astrophysical Journal 623
Pages: 917-921
Astrophysical Journal 628
Astrophysical Journal 632
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 361
The Astrophysical Journal 605
Pages: 321-339
The Astrophysical Journal (印刷中)
Revista Mexicana de Astronomia y Astrofisica 22
Pages: 26-29
Springer Proceedings in Physics 91
Pages: 575-585
Proceedings of the SOHO 15 Workshop (ESA SP-575) 575
Pages: 164-164