曲がった時空上の超弦理論とホログラフィック・デュアリティー
Project/Area Number |
15740138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 祐二 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (70291333)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超弦理論 / 超対称性 / 共形場理論 / ホログラフィック双対性 / D-ブレーン / D-brane |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、N=2超対称リュービル理論および、それと等価と信じられているN=2超対称SL(2)/U(1)コセット模型(2次元ブラックホール)を曲がった時空上の超弦理論に応用する研究を行った。特に、ある種のブラックホール時空における時間に依存するD0-ブレーン(D-particle)のダイナミクスに関し、境界共形場理論を用いた研究を行った。時間に依存する曲がった背景上の弦理論は、近年ますますその重要性が強く認識されるようになっているが、弦理論においてのユークリッド時空からローレンツ時空への解析接続(‘ウィック回転')は、様々な理論的困難を包含し、さらなる理解が待ち望まれている。本研究では、2次元ブラックホール時空上のD-ブレーンを記述する境界状態に関し、物理的に妥当なウィック回転を提案し、ローレンツ時空での境界条件の選び方(真空の選び方)に関しても注意深く議論した。同時に、ブラックホールに吸収されるD0-プレーンからの閉弦の放出率を詳細に解析した。主要な解析結果として、無限遠の観測者が観測する‘outgoing radiation'はホーキング温度での熱的ふるまいを示し、これはD0-ブレーンに吸収/放出される閉弦がブラックホールと熱平衡にあると解釈される。更に著しい結果として、ブラックホールに吸収される‘incoming radiation'には、見かけ上のハゲドーン的ふるまい(弦理論で非常に高温で起こる現象)が出現することを示した。また、閉弦の放出率に関し、近年提案されている、‘ブラックホール/ストリング転移'の現象とconsistentなふるまいが得られることを示した。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)