Project/Area Number |
15740214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
秋元 郁子 和歌山大学, システム工学部, 助手 (00314055)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | C60単結晶 / 光キャリア生成 / 輸送過程 / 飛行時間測定法 |
Research Abstract |
本研究では、C_<60>単結晶におけるキャリア生成とその輸送過程、並びにその構造相転移との関連性を、異なる素励起状態を選択的に初期生成させることで明らかにすることが目的である。気相成長法で作製したC_<60>単結晶を非接触型の電圧印加下において、波長可変ナノ秒レーザーパルス(hω=1.9-3.8eV,10Hz)を励起源とし、飛行時間測定(TOF)法による光伝導の時間分解測定を行った。温度、励起波長をパラメータとし、光キャリアの生成量や輸送過程の時間応答性を調べた。 その結果、主キャリアである電子の生成過程は熱活性型であり、キャリア生成量は励起波長に依存するが、輸送過程を反映する時間応答は励起波長に依らないことが明らかになった。一方、我々の吸収端領域での光伝導スペクトルの構造に関する研究から、吸収端付近ではフレンケル励起子の熱解離によりキャリア生成していることが分かっている。従って、本研究からC_<60>単結晶における光キャリアは、各種素励起の緩和過程で生成するフレンケル励起子が熱解離することによって生成され、その後共通の輸送過程を経ることが明らかになった。さらに、光キャリア生成量の温度依存性は局在励起子の発光強度の温度依存性と反相関を示すことが確認された。このことから、局在励起子はフレンケル励起子を経由して生成され、温度上昇と伴にフレンケル励起子の熱解離過程が促進することにより、発光始状態の占有数が減少する一方でキャリア数が増大すると理解することが出来る。以上の内容を、第15回光物性研究会('04,12)、第28回フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム('05,1)、IWEPNM2005('05.3)で発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)