Project/Area Number |
15740224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
樋口 透 東京理科大学, 理学部, 助手 (80328559)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | Mott絶縁体 / 共鳴逆光電子分光 / 電子構造 / 非占有状態 / 金属-絶縁体転移 / 電子相関 / 準粒子バンド / 上部ハバードバンド / La_<1-x>Sr_xTiO_3 / 逆光電子分光 / Hubbard band / 非占有電子状態 |
Research Abstract |
ペロブスカイト型酸化物LaTiO_3は、d^1電子系のMott絶縁体である。La^<3+>サイトにSr^<2+>を置換(La_<1-x>Sr_xTiO_3)するで、Mott絶縁体から金属へ転移する。この絶縁体-金属(I-M)転移の臨界濃度は、x=0.05であり、これ以下の濃度では、系のランダムネスによる局在効果や磁気秩序が存在する。I-M転移の出現は、キャリア数の変化ではなく、その有効質量の増大に現れ、κやγはI-M転移に向けて、臨界的に増大する。これは、I-M転移における電子相関(U_<dd>)の寄与を示唆している。本研究では、逆光電子分光の高分解能化を図り、La_<1-x>Sr_xTiO_3のI-M転移近傍の非占有電子状態を研究した。 逆光電子分光の高分解能化を実現するに当たり、軟X線発光分光器の回折格子の改良と検知器の改良を試みた。回折格子は、幅広いエネルギー領域をカバーするために不等間隔平面回折格子を設置した。これらの改良により、100eVの電子エネルギーにて200meVの高分解能を実現した。 次に、LaTiO_3単結晶を用いて逆光電子分光測定を行い、E_Fより約2eV付近にTi3d軌道から形成されるUpper-Hubbard bandの存在を確認した。E_F直上には、絶縁体特有のエネルギーギャップが形成されていることも明らかにした。金属相になると、Upper-Hubbard bandの強度は増加する。これは、ホールとして導入されたSrがTiサイトに置換されていることを示唆している。さらに、E_F上に準粒子バンドが形成され、金属特有のFermi面の存在が確認された。Upper-Hubbard bandは、電子相関の大きさを反映するが、絶縁体・金属相共にエネルギー位置は変化せず、バンド幅の変化のみが観測された。以上の結果は、Dynamical-mean-field-theory (DMFT)による計算結果と一致する。
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