大規模量子格子模型シミュレーションのための新しいフレームワークの構築
Project/Area Number |
15740232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤堂 眞治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (10291337)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 量子格子模型 / 量子スピン系 / 量子モンテカルロ法 / 大規模並列シミュレーション / ランダムスピン系 / XML / C++ / ライブラリ開発 |
Research Abstract |
我々の対象とする量子格子模型(量子スピン系・電子系)は、その格子構造・位相空間・相互作用を指定することにより定義されるが、これらの情報を統一的かつ柔軟に記述するためのXMLフォーマット(http://xml.comp-phys.org/)に基づき、量子格子模型のファイル入出力、アプリケーション側からの基底やハミルトン行列要素などを参照するためのオープンソースライブラリをC++言語により作成してきた。本研究課題の主要な成果物の一つである作成されたALPS(Algorithms and Libraries for Physics Simulations)ライブラリは、現在バージョン1.3aが公開されている(http://alps.comp-phys.org)。また、ALPSフレームワーク(XMLフォーマットとライブラリ)の有効性の実証も兼ねて、クラスターアルゴリズム量子モンテカルロ法を用いたアプリケーション(ALPS/looper)を作成した。このアプリケーションパッケージでは、「連続虚時間ループアルゴリズム」と呼ばれる量子スピン系のモンテカルロ手法としては現在最も強力な方法を用いて、任意の格子上で定義された任意の大きさのスピンをもつ量子スピン模型の量子モンテカルロ計算が実行可能となっており、ALPSフレームワークの柔軟性と有効性を確認することができた。ALPS/looperについても、現在バージョン3.2b1が公開されている。さらに、空間的な非等方性の非常に強い擬三次元量子反強磁性体の相転移やスピンギャップと空間的なランダムネスが競合する低次元量子磁性体における量子相転移の問題などに応用し、熱ゆらぎ・量子ゆらぎ・ランダムネスが共存・競合する量子格子模型における新奇な物性を明らかにすることができた。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)