長距離相互作用を持つ一次元量子多体系の代数的解析とその応用
Project/Area Number |
15740235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小森 靖 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (80343200)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 量子楕円型Ruijsenaars模型 / 楕円差分Painleve系 / 楕円超幾何積分 / 楕円ガンマ関数 / 多重ゼータ関数 / 楕円型Ruijsenaars模型 / 楕円超幾何方程式 / ルート系 / Ruijsenaars模型 / 楕円超幾何関数 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、楕円型Ruijsenaars模型についての研究を進めた。量子模型については東京大学の坂井氏や、神戸大学の野海氏らの研究グループとの共同研究によって得られた楕円差分Painleve系とそれに付随する楕円超幾何方程式についての研究成果を基に、これまでに楕円テータ関数による級数解や、さらにパラメータを一般化したものにも適応可能な楕円ガンマ関数の積分によって記述される楕円超幾何積分の解を得ている。一方、一般ルート系において、対応する古典系についての研究はRuijsenaarsやvan DiejenらによるA,BC型の結果しか得られていなかった。そこで今年度は古典楕円型Ruijsenaars模型の可積分性について研究を行うこととした。その結果、系の自由度と同数の保存量の構成とそれらの関数としての独立性についての証明を行うことができた。これによって一般ルート系における楕円型Ruijsenaars模型の可積分性が示されたことになる。保存量の構成はvan Diejenが用いた方法による。具体的には量子古典対応によって量子論における可換差分作用素から古典極限を取るという方法を用いた。以前の研究によって、一般ルート系に付随する模型の可換差分作用素はルート代数と呼ばれる代数を用いて構成されることが明らかとなっている。この構成法とさらにルート系の性質をうまく使うことによって古典極限を取ることができた。また保存量の独立性についても可換差分作用素の構成時における作用素の"先頭項"に着目することによって示すことができた。この結果は既に京都大学数理解析研究所で2005年8月に行われた「ソリトン理論から可積分数理へ」で口頭発表済みである。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)