Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究課題の最大の焦点は地球深部条件での高圧鉱物のレオロジー特性の研究であり、高圧実験的手法により明らかにしたこのレオロジー特性をマントルのレオロジーと結びつけることを目標としている。レオロジー特性を表すには様々なパラメーターがあるが、本研究では、粘性率に影響を与える結晶粒径および地震波速度観察と結びつけられる結晶方位観察に焦点を絞り研究を行ってきた。前者に関しては、下部マントルの圧力条件よりはやや低圧であるが21GPaでマントルの主要構成鉱物(リングウッダイト)の結晶粒成長実験を行い、マントルへ沈み込むスラブ内の結晶粒径を見積もった。その結果を用いスラブのマントル遷移層・下部マントル境界でのレオロジー的な振る舞いについて議論を行い、論文として発表した。また、後者に関しては、下部マントルの条件下(25GPa、1600度)で、主要構成鉱物である珪酸塩ペロブスカイトとマグネシオヴスタイトの混合相に対して擬似的な一軸圧縮実験を行った。実験条件を様々に変化させることにより得られた試料の形状変化の比較観察から塑性的な変形が確認された。また、試料の微細構造の観察、とくに結晶方位測定を行なった。現在、測定結果の解析を進めているところである。予備的な解析結果は、試料中の結晶格子が選択配向していることを示す。今後、継続してこの解析を進めていく予定であり、その結果を観測データと比較することによって地球深部での流動様式について考察し、論文としてまとめる予定である。
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Earth and Planetary Science Letters 236
Pages: 871-881