マントルパイロキシナイトの高温高圧融解実験とマグマの生成
Project/Area Number |
15740318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
小木曽 哲 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (60359172)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | パイロキシナイト / 高圧実験 / 部分融解 / 実験岩石学 / マグマ / 火成岩岩石学 |
Research Abstract |
本研究は、地球内部におけるパイロキシナイトの部分融解過程を定量的に理解することを目的として、基礎的な実験岩石学データを蓄積することを目的としている。 昨年度までの研究で、ザクロ石と単斜輝石の2相で構成されるバイミネラリックパイロキシナイト(B-ECL1)の5GPaにおける融解相平衡関係を明らかにした。本年度は、B-ECL1にカンラン石を加えた組成の出発物質(B-ECL1-ol)について、同様に5GPaでの高温高圧融解実験を行った。B-ECL1-olの融解では、融解の進行に伴って初めにカンラン石、次に単斜輝石が消失し、ザクロ石がリキダス相であった。B-ECL1-olの部分融解度の変化と融解液の組成について、B-ECL1と比較した結果、B-ECL1にカンラン石が加わることにより、部分融解度が上昇することが明らかになった。また、部分融解度の上昇にともなう融解液の組成変化は、B-ECL1と同様に小さいものであった。B-ECL1-olの融解液の組成は、B-ECL1の融解液よりMgOに富むものの、他の酸化物の濃度は同程度であり、どちらの融解液も、ホットスポット火山列に出現するアルカリ玄武岩によく似た組成を持つ。 これらの実験結果は、バイミネラリックパイロキシナイトが実際のマントル中でマントルカンラン岩に取り囲まれている状態で部分融解を起こす場合は、カンラン岩中のカンラン石とパイロキシナイトが接している部分が先に融解を開始することを意味している。その場合でも、生成されるマグマはホットスポットのアルカリ玄武岩に似ており、パイロキシナイトとカンラン岩が不均質に混合した状態のマントル物質が、ホットスポットマグマの起源物質になり得ることを示している。つまり、地球のマントル中におけるマグマ生成には、パイロキシナイトが重要な役割を果たしている可能性がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)