溶液系における構造とダイナミクスの融合研究・統計力学を用いた記述
Project/Area Number |
15750010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Shimane University (2004) Osaka University (2003) |
Principal Investigator |
西山 桂 島根大学, 教育学部, 講師 (40283725)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 溶媒和ダイナミクス / 過減衰ビート / RISM / 相互作用点モデル理論 / 過渡的ホールバーン / 時間分解蛍光スペクトル / 積分方程式理論 / RISM理論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、統計力学をもとに実験的研究手法を援用しながら、溶液系における構造とダイナミクスの連関を明らかにすることである。我々は最近、モード結合理論を用いて中間散乱因子F(k, t)を求めると、数fsから数百ps以上に至る幅広い時間領域にわたって、緩和過程を分子論的に記述できることを明らかにしたので報告する。 溶質には単イオンをはじめ、双極子などのモデル系を用いた。時刻t=0において、一部サイトの荷電を変化させた。溶媒にはアセトニトリル、水など極性溶媒を用いた。サイト-サイトポテンシャルにはレナード・ジョーンズ形(additive-pairwise)のものを用いた。 各溶媒中において平均エネルギー緩和の時間応答関数Se(t)を計算したところ、とりわけ50fs以下の素早い時間領域ではガウス型に近似できる曲線を示すとともに、数10fsの振幅のダンピングがみられ、レーザー分光実験でよく報告されている結果に対応していることが分かった。その一方で、数10ps以上を要する遅い緩和成分が存在することも判り、我々の実験で観測されたエネルギー分散の緩和との関連性を現在検討しているところであり、その分子論的背景をもとに新しい実験および理論的研究を構築する予定である。この研究によって、溶液の構造と時間ゆらぎに関するダイナミクスの分子論に迫ることができたと考えている。この研究成果によって、溶液の時間に依存するゆらぎの研究など、関連する研究への波及効果も大きいと思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)