Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
オゾンの材料合成へ応用を検討した。薄膜プロセスにおいては、オゾンの酸化効果は著しく有効あるが、バルクの場合、その効果はごく表面部分まででとどまりやすく、バルク全体を酸化することには難しい。そこで、反応を厳しく制御してバルク試料の酸化反応が効率的に進む条件を見いだすことを目的とし、CaFeO2.5(Ca2Fe2O5)の、CaFeO3への酸化を試みた。CaFeO2.5はブラウンミレライト型(酸素欠陥が規則的に並んだペロブスカイト)構造をとり、通常、およそ2万気圧の高酸素圧処理によりはじめてCaFeO3へ酸化することができる。またSrFeO3-δ(0<δ<0.5)系のような中間の酸素欠損組成が存在せず、X線回折によりCaFeO3とCaFeO2.5が容易に判別できるため酸化反応の進行度を調べるのに都合がよい。CaFeO2.5焼結体を管状炉内にセットし、オゾンジェネレーターを通じて発生させたオゾン・酸素混合ガスを50ml/minの流速で流しながら加熱を行った。その結果、反応温度400〜500℃、4時間程度の反応条件で最も反応が進行し、70〜80%程度までCaFeO3へ酸化が進んでいることがわかった。オゾンは低温であるほど熱力学的な酸化力は高く、逆に、高温ではただちに分解されてしまう。一方、酸化物内部の酸素イオンの拡散は温度が高いほど速い。それらの相反する性質が反応条件の最適化に影響を要因であると考えられる。
All 2004 Other
All Journal Article (2 results) Publications (1 results)
Journal of Applied Physics 95
Pages: 5145-5145
Philosophical Magazine 84
Pages: 3825-3825