前周期有機金属化合物の特性を生かした新規分子触媒反応
Project/Area Number |
15750074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大洞 康嗣 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (50312418)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 低原子価金属 / ニオブ-アルキン錯体 / インデン化合物 / 有機合成反応 / 均一系触媒反応 / チタン-アルキン化合物 / 低原子価チタン / クロスカップリング反応 / 熱的安定化 / 3置換及び4置換オレフィン |
Research Abstract |
チタンやジルコニウムに代表される、低原子価前周期遷移化合物は炭素-炭素結合生成反応など様々な有機合成反応に用いられてきた。本研究では、これまでほとんど用いられてこなかった、低原子価ニオブ化合物を用いた有機合成反応ならびに均一系触媒反応の検討を行い、以下の研究成果を得た。 1.NbCl_3(DME)錯体を用いたケトンとアセチレンからの新規インデン誘導体の合成 NbCl_5から容易に合成可能な低原子価ニオブ種であるNbCl_3(DME)錯体を用い、脂肪族ケトンと芳香族アセチレンとの反応を行なった。その結果、ニオブ-アルキン化合物を経由する反応が進行し、高収率かつ高選択的に1,1,2-三置換インデン誘導体が得られることを見出した。本反応は用いる溶媒により反応性が大きく変わり、THFのような配位性溶媒を用いた場合、インデン誘導体は得られず、ジエン誘導体が得られた。 2.ニッケル触媒を用いた低原子価ニオブ-アルキン化合物とアリールヨウ化物とのクロスカップリング反応 我々は、昨年度低原子価チタン-アルキン化合物とアリールヨウ化物とのクロスカップリング反応が進行することを報告している。しかし、基質として用いるチタン化合物の単離・同定などが困難であると共に反応の選択性が悪く、生成物が一置換体と二置換体の混合物として得られるといった問題点が存在していた。本研究では、低原子価ニオブ-アルキン化合物を用い、ニッケル触媒存在下アリールヨウ化物とのクロスカップリング反応を試みたところ、選択的に二置換生成物が高収率で得られる事を見出した(Scheme2)。本反応は、アルキンとNbCl_3(DME)から合成できるNbCl_3-アルキン化合物とリチウムアルコキシドROLiとの反応によって得られるNb(OR)_3-アルキン化合物を反応基質として用いることにより進行することがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)