π酸性配位子を有する0価ルテニウム錯体による極性小分子の活性化と有機合成への応用
Project/Area Number |
15750083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浦 康之 京都大学, 工学研究科, 助手 (40335196)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ルテニウム錯体 / π酸性配位子 / 極性小分子 / 水分子 / アンモニア / 活性化 / 0価ルテニウム錯体 / 三座窒素配位子 / 芳香族化合物 / p-キノン類 / フェノール / O-H結合活性化 |
Research Abstract |
1.アクア錯体の配位水分子の挙動に関する研究 0価ルテニウムアクア錯体Ru(dppe)(dmfm)_2(H_2O)(dmfm=dimethyl fumarate)等の温度可変^1H NMR測定により、配位した水分子のプロトンの、分子内位置交換過程の観測に成功した。この過程は水分子の回転および反転を含むと考えられ、とくに水分子の反転についてはこれまでに赤外吸収による方法以外には観測手段が無いことから、本結果は間接的ながらも反転を含む水分子の基礎的挙動の観測に成功した極めて珍しい例である。 2.0価ルテニウムアンモニア錯体の合成と構造 Ru(dppe)(dmfm)_2(H_2O)と過剰量のアンモニア(ジオキサン溶液)を室温で反応させることにより、水分子との配位子交換が起こり、新規0価アンモニア錯体Ru(dppe)(dmfm)_2(NH_3)が得られ、単結晶X線解析により構造決定を行った。本アンモニア錯体もアクア錯体の場合と同様に2本の水素結合によりアンモニアのルテニウムへの配位がより安定化されている。これまでに2価ルテニウムアンモニア錯体の合成については膨大な数の報告例があるものの、0価錯体に関しては我々の知る限り本錯体が初めての合成・単離および構造決定の例であり、極めて興味深い。 3.複核二価ルテニウムアクア錯体の合成と構造 水存在下、Ru(η^6-cot)(dmfm)_2と[(o-CH_3OC_6H_4)_2PCH_2]_2などの三座P-P-O配位子を、ジクロロメタン中、60℃で反応させることにより、P-P-O配位子がfacialに三座配位した複核二価ルテニウムアクア錯体が生成することを見出した。本錯体は、配位した水の活性化と、ヒドリドヒドロキソルテニウム中間体のRu-H結合へのアルケン挿入過程を経て生成するものと考えられ、アルケンの水和反応に繋がる興味深い反応機構を包含している。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)