新規な触媒機構に基づくアルキルハライドによるクロスカップリング反応系の創出
Project/Area Number |
15750086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺尾 潤 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00322173)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | アルキルハライド / クロロシラン / クロスカップリング反応 / ニッケル触媒 / ブタジエン / アート型錯体 / 一電子移動 / アルキルフルオリド / グリニャール試薬 / パラジウム触媒 |
Research Abstract |
臭化アルキルは親電子剤として、またグリニャール試薬は求核剤としての反応性を有するが、これらの試薬をTHF中で直接混ぜても効率よく置換反応は進行しない。触媒としてNiCl_2を加えても、主にデカンとデセンが生成するのみでありカップリング化合物は殆ど得られない。ところが、この系に1,3-ブタジエンを添加すると、アルキル基同士のクロスカップリング反応が効率良く進行し、テトラデカンが定量的に得られる事を見出した。この反応はアルキルハライドとして反応性の低いアルキルクロリド類を用いても効率よく反応が進行し、興味深いことに、フッ化アルキルを用いることも可能である。しかし、この反応系では、ブタジエンを大過剰に添加しないと効率が悪い。そこで、分子内にジエン部位を2カ所持つテトラエンを用いて反応を行ったところ、基質に対し10%の添加量で収率が大きく向上した。本触媒反応系はグリニャール試薬の代わりに有機亜鉛試薬を用いることができるが、この場合も、過剰量のブタジエンを添加する必要がある。そこで類似のテトラエン骨格を有する添加剤を用いて、フッ化アルキルとグリニャール試薬とのクロスカップリング反応を検討したところ、大幅な反応時間と収率の改善に成功した。これらの結果は、テトラエンが0価のニッケル錯体と反応し、類似のビス-π-アリル錯体を効率よく形成するためと考えられる。 我々は既に、ニッケル触媒存在下、二当量のブタジエン、クロロシラン、グリニャール試薬との反応により、カップリング体が位置および立体選択的に得られることを見出している。興味深いことに、同様の条件下、パラジウム触媒を用いて行うと、ブタジエンの二量化ジシリル化物が得られることを見出した。本反応は、ビスアリル型アート錯体とクロロシランとの反応により生成したアリル錯体からの還元的脱離の段階がPdの場合、Niに比べ遅く、続くもう一分子のグリニャール試薬との反応によりアリル型アート錯体が生成し、これがクロロシランにより親電子的に捕捉されることにより、生成すると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)