圧電体による有機超薄膜の誘導変形を利用した微細物質輸送システムの構築
Project/Area Number |
15750101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Polymer chemistry
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
久田 研次 福井大学, 工学部, 助手 (60283165)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 誘導変形 / ラングミュア・プロジェット膜 / 表面自由エネルギー / 接触角 / 液体輸送 / 圧電体基板 / フッ化炭素鎖 / 表面張力 / ラングミュア・ブロジェット膜 |
Research Abstract |
1.表面修飾膜の流動性評価 修飾基板の変形によって表面修飾膜内における分子鎖傾き角の変調を誘発することがこのシステムの駆動原理である。これを実現するための表面修飾膜としては、基板変形に追随できるほどの流動性を持ち、かつその変形状態を維持できる必要がある。そのため、フッ化炭素側鎖の含量が異なるポリアクリル酸エステル単分子膜をブルースター角顕微鏡により観察し、上記条件を満たすフッ化炭素含量の範囲が25〜70%であることを求めた. 2.表面修飾膜内の分子鎖傾き角分布の変調 前年度までに開発した圧電結晶表面を有機超薄膜で被覆する技術を応用した。圧電結晶基板の逆圧電効果により表面被覆膜を誘導変形させたが、圧電結晶の変形量がそれほど大きくないため、圧電結晶自身を修飾した場合の表面自由エネルギーの変調は液体輸送を導くには不十分であった.そこで、圧電結晶を用いて大変形可能なシリコンエラストマーを基板に用い、この表面を被覆修飾するための前処理手順を検討し、有機超薄膜による良好な修飾が可能な条件を見いだした。 3.表面修飾基板を用いた物質輸送 1.で選定した組成のフッ化炭素側鎖を有するポウアクリル酸エステルの超薄膜で変形可能基板を被覆した。この修飾基板の変形により、液体への濡れ性を変調可能であることを明らかにした。この際、各組成の修飾膜に対して、可逆的な誘導変形を引き起こすための液体の表面張力範囲について、データベースを作成した。修飾した可変形基板を非対称的に変形すると、修飾基板表面に滴下した液滴の形状は、左右対称なドーム状から左右の接触角が著しく異なる非対称形へと変化した。対称形から非対称形への形状変化は,修飾薄膜表面に表面自由エネルギー勾配が生じたことを意味しており、当初の目的である微細物質輸送システムへの駆動原理が実現可能であることを実験的に示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)