温度変化によるベシクルの可逆分散・凝集の解明と可溶化分離への展開
Project/Area Number |
15750121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川崎 英也 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (50322285)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ベシクル / 分散・凝集 / 疎水性物質 / 可溶化 / 対イオン結合度 / 環境問題 / 水浄化 / 分散 / 凝集 / ベシクルのゼータ電位 / 温度刺激応答性ベシクル / DLVO理論 |
Research Abstract |
本研究では,自発的にベシクルが形成される条件を見いだし、外部環境変化(特に、温度)によって生じる自発形成ベシクルの可逆分散・凝集の機構を解明する。そして、このベシクルの可逆分散・凝集を、水溶液中の水微溶性物質を効率的に分離回収すること(可溶化分離)へと応用展開することを目的としている。具体的には、この研究により、以下の研究成果を行った。 (1)自発形成ベシクルの構築: 自発的にベシクルが形成される3つの系を新たに見いだした。(I)テトラデシルジメチルアミンオキシド(界面活性剤)にナフタレンスルホン酸塩を半等量添加することによって生じる自発形成ベシクル。(II)天然由来のアルギニン脂肪酸塩から生じる自発形成ベシクル。(III)二本鎖型界面活性剤、ジデシルジメチルアミンオキシドのプロトン化によって生じる自発形成ベシクル。 (2)ベシクルの分散・凝集: 上記の(I)のベシクルに関しては、ベシクルの分散挙動が、ナフタレンスルホン酸塩添加量と界面活性剤濃度の比によって決定されていることを見いだし、そのベシクルの分散挙動は、コロイド粒子間の相互作用を記述するDLVO理論で説明できることを明らかにした。更に、上記の(I)のベシクルに関しては、対イオン結合が温度変化に依存することから生じる、温度変化によるベシクルの分散・凝集を初めて示した。上記(II,III)のべシクルについては、pH変化によりベシクルの分散・凝集が生じることを見いだした。 (3)ベシクルによる疎水性物質の水中からの除去: 疎水性物質(スダンIII、ベンゼン)を可溶化したベシクルの分散・凝集を利用することにより、疎水性物質を水中から除去できる結果を得ることができ、可溶化分離法の有用性を示すことができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)