SPR付加型水晶発振子によるタンパク質構造変化の「その場」観察
Project/Area Number |
15750139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
古澤 宏幸 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (60345395)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 水晶発振子 / 振幅の変化 / 分子認識 / タンパク質 / 結合と解離 |
Research Abstract |
本研究の目的は、水晶発振子の金電極上に回折格子を付加することにより、表面プラズモン共鳴現象と水晶振動現象の同時観察することのできるセンサー・デバイスを作製し、これまで観察することが困難であった水溶液中での生体分子の結合挙動における構造変化やそれに伴う水和の様子を「その場」測定することにある。今年度は以下の成果を得た。 1)水晶発振子をネットワーク・アナライザーに接続し秒単位で測定を経時的に行えるよう装置を組み上げることによって、表面プラズモン共鳴現象に相当する基板上の質量変化を表す振動数変化(ΔF)と水晶振動現象の特徴である基板上の物質の固さ・柔らかさを表す振動エネルギー減衰率(ΔD)を同時に測定できるようになった。 2)ネットワーク・アナライザーに接続した水晶発振子基板上にタンパク質を固定化し、変性剤の添加もしくはpHを変化させ基板上のタンパク質を変性させたところ、ΔDの変化から変性に伴う柔らかい構造への変化の過程とΔFの変化から構造変化に伴うタンパク質の表面水和量の変化の過程が、同時に観察できることがわかった。 3)水晶発振子基板上に一本鎖DNAを固定化し相補鎖を添加したところΔFおよびΔDが共に大きな変化を示し、ΔFの変化から相補鎖DNAが結合したことによる質量変化と、ΔDの変化から一本鎖DNAから二本鎖DNAへの構造変化が同時に観察できたことがわかった。 これらの成果から、ネットワーク・アナライザーに接続した水晶発振子を利用すれば、生体分子間相互作用におけるタンパク質や核酸の構造変化や水和の様子を経時的に「その場」測定することは可能であることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)