Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
日本大学電子線利用研究施設において開発中であったパラメトリックX線放射(PXR)をベースとしたX線源が2004年4月にX線の取り出しに成功したことを受けて、実験的な研究を開始した。当初は電離箱でX線をモニターしながらの加速器の調整や写真フィルムによるイメージングを行った。その結果、X線プロファイルが理想的な理論計算と比べ、空間的に一様になっていることがわかった。また、PXRビームは水平方向に線形にグラデーションがかかったような特徴的なエネルギー分布をもっていることが理論的に予想されていたが、銅や臭素のK吸収端付近のX線吸収の変化の様子からそれが確かめられ、しかもかなりの高分解能であることが示唆された。元々の計画では完全結晶を用いた干渉計でつくられる干渉像で空間的なコヒーレンシーを評価する予定であったが、単純な平面波モデルの計算では干渉縞の間隔が50μm程度という結果であったためCCDによる観測は難しいと思われたので、干渉計に代わってアクリル板を通過する際の屈折を利用することにした。その結果、X線の干渉の効果と思われるエッジ強調が観測されたため、波面がそろった空間的に可干渉な線源であることが確認できた。また、PXR発生装置で用いられているのと同じシリコン(111)面を分光結晶として使用して、非分散となる(+-+)配置で測定したところ、対称反射でありながら0.001°程度の角度幅で広い面積のX線が高反射率でブラック回折されるのが観測された。この結果はエネルギー分布が理論通りでかつ非常に高分解能であることを意味しており、空間的な可干渉性の裏づけになる。また、X線ビームの中心では垂直方向に偏光しており、分光結晶に対してはσ偏光になっていることが示唆された。
All 2005
All Journal Article (2 results)
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 227
Pages: 32-40
Proceedings of the 1^<st> Annual Meeting of Particle Acce1erator Society of Japan
Pages: 60-62