Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本年度の研究実績の概要は以下の通りである。1.より複雑で現実的な部分放電モデルの数理的解析前年度は、漏れの効果を導入したコンデンサーモデルの解析を行ったが、それに加えて放電の遅れと放電電圧・残留電圧のゆらぎによる確率的な効果を導入したコンデンサーモデルのふるまいを数値的に調べた。その結果は、ゆらぎの効果が小さいときに決定論的モデルに近いふるまいを見せるという自明なものであるが、以下の項目3で述べるように、数理モデルに基づいた部分放電データ解析の可能性を示している。また、このコンデンサーモデルの動力学的ふるまいの基礎である二重回転写像に関する理論を簡潔な形に再構成し、Discrete and Continuous Dynamical Systemsに論文が受理された。2.部分放電診断などの応用分野への適用以下の項目3で述べるように、部分放電診断に活かすことのできる基礎的な技術を開発した。また、新たな応用分野として、制御理論との関連が明らかになった。これは、on-off制御のようなヒステリシスのあるデジタル制御を行った場合に、そのシステムのふるまいが部分放電現象と同じ動力学的ふるまいを示すという結果である。この成果は、国際会議International Symposium on Nonlinear Theory and its Applicationsに受理され、発表を行った。3.部分放電実験および実験データ解析部分放電実験により得られた実データを用いて、確率的なコンデンサーモデルのパラメータ同定を行った。これは、部分放電診断に活かすことのできる基礎的な技術であると考えられる。また、本研究によってこれまでに得られた個々の成果をまとめることによって、部分放電現象の性質や解析手法を数理的な立場からまとめた論文の投稿を準備中である。
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Discrete and Continuous Dynamical Systems 13(2)
Pages: 515-532
Proceedings of 2005 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications, Bruges, Belgium, October 2005
Pages: 78-81
Europhysics Letters 66(1)
Pages: 28-34
Proceedings of 2004 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications, Fukuoka, Japan, November 2004
Pages: 143-146