Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本研究は,微少油量潤滑(MQL)条件下での伝動装置の性能を明らかにしたものである.特に伝動装置の中枢をなす歯車に着目し,その歯面強さを調べた.歯車の対象を動力伝達用のオーステンパ処理球状黒鉛鋳鉄(ADI)歯車および中硬度鋼歯車として,強制給油との性能の違いを明らかにした. 本研究は,まず極微少量の潤滑油を供給する給油方法を,歯車の接触をシミュレートした二円筒試験機を用いて調べた.次いで,歯車による運転試験を行い,微少油量潤滑条件下での性能を検討した.その結果,以下のことが分かった. (1)わずかな量でも接触部をむらなく均一な潤滑状態にすることで,無潤滑の状態に比べて歯車の面圧強さは格段に向上する.すなわち,微少油量潤滑における給油方法は,接触部が均一な潤滑状態になる噴霧MQLが良い. (2)油量0.05ml/minでの噴霧MQL条件下におけるADI歯車およびSCM435歯車の損傷形態はスカッフィングである. (3)ADI歯車の噴霧MQL条件下における損傷発生荷重は,強制給油条件下での損傷発生荷重よりやや低い程度であり,強制給油条件下におけるSCM435歯車の損傷発生荷重よりも大きい.以上の結果から,微少油量潤滑下においてADIは鋼に匹敵する面圧強さを有し,歯車材としての適用の可能性が十分にあることが分かった.すなわち,潤滑油を多量に用いる強制給油条件で使用されている中硬度鋼歯車に代えて,潤滑油の量を少なくした噴霧MQL条件でADI歯車を使用することが可能であり,伝動装置における潤滑油の使用量を減少させることができる.
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