Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Research Abstract |
イオン導電性高分子による人工筋肉を用いた渦構造の効果的制御方法の確立,それを用いた推進機構の創造を目的に,人工筋肉を用いた翼まわりの流れの制御実験を行った.供試翼NACA0010を対象に(翼弦基準レイノルズ数Re=900),翼背面上に人工筋肉を貼付(翼前縁から1/4弦長)し,それによる翼背面上の流れ制御実験を行った.具体的には,静止状態時にはく離が発生する迎え角において,翼背面上に貼付した人工筋肉を屈曲運動させた時の流れ場の様子を粒子可視化法,染料流出可視化法,さらにはPIV画像計測により定性的・定量的に観察した.その結果,以下のことが明らかになった. 1.イオン導電性高分子による人工筋肉を翼背面上に設置した供試翼を作成し,流れの効果的制御を目的とした可視化実験を行った.人工筋肉の屈曲運動により,静止状態時(迎え角α=13deg.)に翼背面上に形成される逆流域を減少させることが可能であることがわかった.また,翼後縁から巻き上がる渦の渦度も弱めることが可能であった。 2.人工筋肉の屈曲周波数f=2.0Hzの場合に,翼前縁からの流脈は渦を形成し,翼背面上に再循環領域が形成され逆流域は減少する.しかしながら,f>2.0Hzでは,翼前縁からの流脈は渦を形成するものの,そのスケールが小さく,翼背面上に再付着しないために逆流域の減少は見られなかった. 3.これまでに提案されてきた様々なアクチュエータによる流れ制御(渦の制御,はく離の制御)に比べ,人工筋肉による流れ制御は低駆動電圧で容易に可能であることがわかっただけでなく,人工筋肉の様々な屈曲運動によりスケールの異なる渦を生成可能であることを明らかにした.
|