Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
可燃性の物質が点火する過程において現れる遅れ時間,つまり点火遅れは比較的大きなばらつき(統計的変動)をもつ.このような変動をともなう点火遅れの機構を解明する第一歩として,本研究は,均質な可燃性混合気が熱面点火または火花点火するときの点火遅れに関する実験データを取得し,その統計的解析法について検討,提案することで,点火機構の解明と制御に資することを目標としている.熱面点火のための熱面には金属線を用い,電力で急速過熱して一定温度となるよう制御する.火花点火では,対向した針状電極の間隙で放電する.混合気は密閉容器に入れ,その中で点火,燃焼させる.点火遅れの測定には,燃焼反応開始にともなう密度変化,温度変化や自発光を利用する. 本年度は,前年度に製作して予備実験によりその作動を確認した装置群を利用して,熱面点火実験と火花点火実験とを行った.その結果,できる限り実験条件を同一としても,すべての場合において測定される点火遅れはばらつきを示すこと,そのばらつきはワイブル分布で良く整理されることが確認された.点火遅れのばらつきは,その検知方法によらず燃焼速度が最大となる当量比1.1前後で極小となった.また,点火遅れのばらつきは,多くの条件下でワイブル分布での摩耗故障タイプに分類された.ある程度まで火炎が成長した時点で,点火に成功したと判断をするため,密閉容器内での燃焼の進行にともなう未燃混合気の断熱的な圧縮が影響して,摩耗故障タイプのばらつきが現れると考察される.また,熱面点火の場合には,混合気への熱移動を中心とした点火過程も影響していると考えられる.なお,点火,燃焼の進行の検知に可視火炎発光や容器内圧力の変化を利用した場合,点火,燃焼にともなう火炎の形成,進行の様子と比較して,その検知時刻が大きく遅れることも確認された.
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