Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
宇宙空間のような微小重力や超高真空状態では高品質の材料が開発でき,不純物の少ない電子部品が製造できることが知られている。このような極限環境状態を利用して生産を行う場合,生産に伴って生じる微粒子の除去や微粒子の輸送・貯蔵といった単位操作が問題になる。さらに,宇宙ではレーダーで探知できない微粒子物体の捕捉や軌道制御が重大な問題になっている。 近年では,生態組織内のmmオーダーの粒子を生きたままに保護,移送するマニピュレーション技術が,バイオテクノロジー分野において重要な要素技術として考えられており,細胞工学や遺伝子工学,マイクロマシンや超微細加工分野でも,レーザの持つ粒子性を応用した技術開発が行われている。しかし,システムが高価となるので,それほど普及していないのが現状である。 光と粒子の関係については,幾何光学的考察に基づく解析結果もあり,定性的には実験事実とほぼ一致している。しかしながら,計算を行う際に仮定したパラメータの値は,実際の実験の値とは必ずしも同じではないために,定量的には一致しないことも多い。 そこで,本研究では,レーザー光の輻射圧を利用して微粒子を動かし,空間における微粒子の捕捉・移動・停止といった非接触の運動制御技術の開発を行い,現象に大きく依存する要因について究明することを目的とした。そして,今後の重要性と汎用性も考え,最適な操作条件について粒子物性値から検討した結果をまとめた。 さまざまな微粒子を用いて非制御実験を行った結果,本現象は微粒子の物性値による影響を受けやすいことがわかった。特に,トラップ力,粒子径,レーザー輻射圧の強度,粒子密度,重力,レーザー口径において,これらの間に関数関係が存在する知見を得た。さらに,トラッピングにおける最適な操作条件を調べるため,独立次元の物理量から次元解析を行い,バッキンガムのΠ定理により結果をまとめ,非接触制御できるか否かの境界が定量値として推測できる結果を得た。
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