量子格子気体模型の古典計算機によるエミュレーションとそのナノデバイス解析への応用
Project/Area Number |
15760242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electron device/Electronic equipment
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎌倉 良成 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70294022)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 時間依存Schrodiner方程式 / 開放境条件 / 量子格子気体法 / セルオートマトン / シミュレーション / 量子ポイントコンタクト / 透過係数 / 界面凹凸 / 量子力学 / 時間依存Schrodinger方程式 / 開放境界条件 / 量子格子気体 / トンネリング |
Research Abstract |
開放系の境界条件を設定した量子格子気体オートマトン(QLGA)法を微細電子デバイスの解析に応用した。QLGAは時間依存Schrodinger方程式をセルオートマトンにより解くシミュレーション方式で、量子コンピュータ上のアプリケーションとして期待されている。我々は本手法を古典計算機上でエミュレートしその有効性を探ってきた。特に本年度は、これまでに我々が考案した吸収境界条件アルゴリズムを利用して、ナノスケールMOSFET中の2次元または3次元電子波伝播の可視化ならびに透過係数計算を行った。 まず、薄膜SOI内における電子波伝播解析を行った。ボディ部の厚みが5nm以下の薄膜MOSFETにおいては、Si/SiO_2界面の凹凸スケールがデバイスサイズに近づくため、その揺らぎによる影響が平均化されず、ドレイン電流特性のばらつきとなって顕在化する可能性があることがわかった。そのほか、極薄ゲート絶縁膜を透過する漏れ電流の界面凹凸依存性の解析も行った。ゲート面積の小さな10nm級の微細素子においては、凹凸が漏れ電流値の素子間ばらつきに大きな影響を及ぼすことが判明した。さらに、凹凸による散乱のため、透過係数が界面横方向の電子運動量成分にも依存することを示した。 このようにQLGAの応用例を示すことで、本方式が今後重要となるナノデバイス中の電子伝播シミュレーションに対しても有効な手段となりうることを実証することができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)