Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
研究計画に基づき研究を行い,以下のような結果を得た. 1.架橋状態液体の動特性の測定 前年度までに,潤滑剤を塗布したディスクに触針を接触させた後に引き上げ,触針先端とディスク表面間に潤滑剤液体による架橋を形成し,触針の引き上げ高さを精密に制御して,この液架橋を維持したまま触針を振動させることにより液架橋の減衰振動の測定を可能にし,この減衰振動から液架橋のばね定数と減衰率の測定を可能にし,潤滑剤の分子量,膜厚等の違いがこれらの特性に及ぼす影響について調べた.本年度は,4段階のステップ駆動に加えて,7段階,10段階のステップ駆動を行い,膜厚についても7.7〜39.1nmの範囲で4種類の膜厚について測定した.また,Zdo12000とZdo14000を使用して分子量の大小による影響についても調べた.これらの結果から,前年度までに得られた結果を確認するとともに,膜が厚い場合の方がばね定数の絶対値・減衰係数の最大値を与える伸び量が,より長い側へ移行するとともに,最大値をとった後の減少する特性が顕著でなくなること,膜厚が小さくなると,ばね定数の絶対値・減衰係数の最大値が大きくなる傾向があることを確認した.また,分子量が大きいと減衰係数の最大値をとった後の減少する特性が顕著であることを確認した. 2.架橋状態液体の分離モデルの構築 潤滑剤が塗布された磁気ディスク表面から触針を一定速度で引き上げて分離する実験を行い,この結果を利用して,凝着力を直接計算する動的凝着力モデルを導入した.この結果から,動的凝着力モデルによる解析結果が,予想される凝着力の値とよい一致を示すこと,ディスク表面の接触力は,膜が厚いほど大きく,引き上げ速度への依存性が小さいこと,従来の台形分離モデルよりも実験結果に近い解析結果が得られることを確認した. 3.実験装置の改良 ノイズの原因を特定することはできず,その影響も取り除くことは出来なかったが,下記の画像処理方法の改良により,ノイズの影響を軽減することに成功した. 4.画像処理ソフトウェアの改良 長周期のノイズを除去するために,カンチレバー上と磁気ディスク表面の干渉縞の両方を取り込み,同時に画像処理を行うことで,同相ノイズとしてこれらのノイズの影響を軽減することに成功した.
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