エネルギ供給率のマッチングと非線形接続に基づく複雑システムの解析設計理論の構築
Project/Area Number |
15760324
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Control engineering
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 博 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70274561)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 非線形システム / 制御理論 / ロバスト性 / システム安定論 / 制御系設計 / 複雑結合 |
Research Abstract |
最終の本年度は、過去2年間の研究で具体的化に成功した「供給率の非線形接続」と「供給率のマッチング」という本課題が提案する着想の有効性を探究し、個別のテクニックから統一的理論体系へ脱却・進化させることに専念した。 本年度は主に、(1)システムの部分要素が大域的にゲインを持たなくても小ゲイン的条件から結合システムの大域的安定性とロバスト性を導出可能にすること、(2)固定したたった1つの小ゲイン条件から異なる供給率を持つ複数のシステムの安定性を保証できる理論を確立すること、(3)漸近安定性よりも利用範囲の広いロバスト外乱抑制特性へと理論を拡張すること、(4)複雑非線形システムに対するリアプノフ関数を陽に導き出す手段を開発すること、の4つに力を注いだ。それぞれ具体的には、積分入力状態安定なシステムに対する小ゲイン定理の確立、供給率のパラメトリゼーションの提唱、ロバスト消散性条件の導出、状態依存スケーリング問題へ解析解の明示、という前例のない理論として成果を得ることに成功した。これにより、複雑非線形システムの解析・設計において多種多様に強い非線形性を「広く取り扱いながらも肯定的な答えを導き出す能力を持つ」新しい理論体系を誕生させるという目標を達成した。そもそも国内ではそういった発想に基づく研究者はいないため、本研究が提唱から実現を通して与えた日本の制御理論への貢献は大きい。国際的にも本件研究のテーマと着想は独創性が非常に強く、初めてで他に類がない研究成果となった。そのため昨年まで本研究に対し数理・抽象的印象や実問題と距離感を持つ研究者・技術者が多かった。そこで本年度は、理論をわかりやすく接続して体系化すること、ツール公式集のように整理すること、具体例を通して有効性を示すことにも努力した。こうして得た全ての研究成果は、速報として国内および国外の研究集会・会議で発表し、さらに外国論文誌へ投稿した。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)