Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
今年度の研究では,採取した酸性硫酸塩土(北中条粘性土)を湿潤状態で段階的に酸性化させた後,これらの試料を用いてリングせん断試験を実施した.その結果から,粘着力cとせん断抵抗角Φに及ぼす酸性化の影響について調べた.また,酸性化に伴うcとΦの変化をより詳細に検討するために,酸性化に伴うコンシステンシー限界,粒度組成,および強熱減量の変化についても言及した. 以下に,本研究で得られた知見をまとめる. (1)酸性硫酸塩土の強度定数は強酸性に至るまでの過程において大きく変化する.つまり,cは酸性化が進行するとともに低下し,強酸性(pH=2.8)においては,c=0となる.Φについては,酸性化が進行するとともに少しずつ上昇する. (2)酸性硫酸塩土は酸性化とともに液性限界w_L,塑性限界w_Pの両者はともに低下し,それに伴い塑性指数I_Pもやや低下傾向にある.これについては,以前に行った実験でも同じような傾向が得られた. (3)酸性硫酸塩土の各酸性度における砂の含有率はそれほど大きな違いはないが,細粒分中のシルトと粘土の割合については,酸性(pH4付近)から強酸性(pH3以下)に至るまでの間にシルト分が増加し,粘土分が減少した. (4)強熱減量は弱酸性(pH5以上)から酸性に至るまでにおいて,ほぼ一定の値を示すものの,酸性から強酸性に至る過程においては,著しく増加した. 以上のことから,酸性化による強度定数の変化(cの低下,Φの上昇)は,コンシステンシー限界の低下,粒度組成の変化,および強熱減量の変化と密接に関係しているものと思われる.
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