Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究は、新しい産業とされるハイテク・情報・バイオ産業等の立地集積を、政策的に誘導し形成するための基礎概念となっている「産業クラスター」について、その基礎理論をまず押さえた上で、国土政策・産業政策のために実際に有用な概念として明確化し、我が国の今後の産業立地政策に資する形で提案することを目的としている。本年は、研究計画調書及び交付申請書に示した国内外の計7つの事例のうち、国内事例として札幌・福岡、および海外事例としてクアラルンプールを取り上げ、それぞれ2回以上の現地ヒヤリング調査と資料収集によって、産業クラスター形成のための取り組みについて調査した。調査項目は以下の通りである。(1)クラスター形成のための産業誘致政策(文部科学省の知的クラスター創成事業、経済産業省の産業クラスター計画など)の概要と変遷、(2)関連インフラ整備の概要と変遷、(3)前提となる国土政策とその変遷(以上は政策面)、(4)対象地域の立地集積状況、(5)立地集積を反映する地域経済構造の変化、(6)クラスターの特徴となるネットワークの形成・触媒効果の発現度合い、(7)対象各地域の国土構造上の地位の変化(以上は実態面)このうち、札幌については、後述の雑誌論文においてその成果(中間的な報告に当たるもの)を公表した。また現在、札幌および福岡においてクラスターを形成すると考えられる企業群についてのアンケートを行っており、その成果を含めて、来年度以降に上記3地域の調査結果を発表する予定である。
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