古代エジプト建築における組積造の技術と発展に関する研究
Project/Area Number |
15760481
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Architectural history/design
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柏木 裕之 早稲田大学, エジプト学研究所, 講師 (60277762)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 古代エジプト / 組積造 / アブシール / ダハシュール / 階段ピラミッド / 古王国時代 |
Research Abstract |
早稲田大学古代エジプト調査隊がアブ・シール南丘陵遺跡で発見した、カエムワセト王子の石造建造物および第3王朝時代の石積み遺構を対象に、組積造の技術について考察を行った。 前者の建造物では、屋根の加工痕や出土石材の観察から目地の防水と集排水技術を復元し、論文として発表した。また未完成状態で出土した壁体石材から壁の構築方法を復元するとともに、そこから予定されていた最終的な形状を想定することで、壁面の転びを求めることができた。来年度の建築学会論文集に掲載される予定である。このほか、柱の構築法について、柱礎石の設置から仕上げに至るまでを描き、石材設置に際して柱礎石上面の刻線が重要な役割を果たしたことなどを指摘した。この成果は建築史学会2005年大会で発表するとともに、2006年4月発行の「建築史学」に論文として掲載されることが決まっている。また、古代エジプトでは古い建造物から石材を再利用することが行われてきた。当該建造物でも再利用石材が広く用いられていることを示し、表面の痕跡や形状などから搬入元として三地点を指摘した。なお、この成果は地中海学会2005年大会で発表するとともに、2005年5月発行の「地中海学研究」に掲載されることが決定している。 後者の石積み遺構は、古代エジプトに石造建造物が成立した第3王朝時代の建造物であることが建築技術の分析から判明している。組積技術の精査や同時代の建造物との比較考察を重ねた結果、この遺構は未完成の状態で作業が放棄されたことが明らかとなった。最古の石造建造物であるジョセル王の階段ピラミッドよりも古い可能性が挙げられ、さらに検討を続け、来年度の学会で発表する計画である。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)