Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
シリカをベースとする透明なナノ結晶化蛍光ガラス薄膜の開発を行った。透明性についてはゾル-ゲル・プロセスにおける種々の合成パラメーターを調査・検討し、膜の気孔率と散乱特性を精密に制御することで高い可視光透過性を達成した。ナノ結晶化させる蛍光体材料には希土類フッ化物、オキシフッ化物および酸化物を調査した。従来、ゾル-ゲル法では原料となる金属源が均一に混合されるため所望の結晶(特に金属酸化物)をガラス中にナノ結晶化させることは困難であったが、申請者らが開発したゾル-ゲルフッ化物法を適用することにより、所望のナノ結晶を選択的に結晶化させることができるようになった。具体的には、付活剤として赤色発光を示す3価のユーロピウムおよびサマリウムを、代表的なホスト結晶として酸化セリウム(CeO_2)および酸化ランタン(La_2O_3)を選択した。トリフルオロ酢酸をフッ素源として用いるプロセスでフッ化物およびオキシフッ化物の低温結晶化を利用したガラス中でのナノ結晶化を試みたところ、1000℃より低い熱処理で所望のSiO_2-La_2O_3:Eu^<3+>系ガラス薄膜が得られることが明らかとなった。さらにその合成過程を詳細に調査したところ、新しい結晶相であるLa_<10>(SiO_4)_6O_3オキシアパタイトが1000℃以上の熱処理で生成することを見いだした。この結晶相は陽イオン置換性が極めて高く、付活剤の希土類イオンに加えて、構造変調のためにアルカリ金属、アルカリ土類金属をはじめとする種々の金属イオンをドープすることが可能であることがわかった。その結果、結晶構造制御により蛍光励起波長を精密に変化させることができるようになった。
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Journal of the European Ceramic Society 25巻12号
Pages: 2921-2924
Journal of Applied Physics 95巻12号
Pages: 8002-8006
Journal of the American Ceramic Society 87巻9号
Pages: 1659-1662
Chemical Physics Letters 397巻4-6号
Pages: 479-483
Journal of the Electrochemical Society 151号12巻