Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Research Abstract |
1.添加により層剥離型ナノコンポジットが得られると報告されているオキサゾリン変性ポリスチレンを添加した系をモデルケースとし,種々の押出機のスクリュ回転数を設定し,溶融混練によりクレー系ナノコンポジットを作成した。溶融混練時のスクリュ回転数は,クレーの分散およびクレープレートの層剥離の状況,得られたコンポジットの引張特性に影響を及ぼし,あるスクリュ回転数の最適値が存在する可能性が示唆された。また,作成したコンポジットのレオロジー特性の測定も行い,ポリスチレン/クレー系ナノコンポジットのレオロジー特性は,クレーの分散状況よりもオキサゾリン変性ポリスチレンの含有の有無に依存することがわかった。 2.メルトフローレートの異なるポリスチレンを用いてクレー系ナノコンポジットを作成したところ,初期弾性率は,メルトフローレートが大きいポリスチレンほどクレー添加による増加率は大きくなった。またメルトフローレートの大きいポリスチレンを用いた場合,コンポジットの引張強度はクレーの添加により増加する結果を得た。さらに,混練時のバレル温度を大きくすると,わずかではあるが,初期弾性率や引張強度が増加し,ポリスチレンの粘度もナノコンポジットの物性に影響を及ぼす可能性が示唆された。 3.押出機内樹脂流動を表現した簡単な流動モデルを作成し,これを用いて二軸スクリュ押出機内の樹脂流動計算を行ったところ,樹脂流動に及ぼすスクリュ回転数の影響などが把握できた。また,スクリュエレメントを変更した溶融混練の実験から,高せん断タイプのスクリュエレメントを用いたケースが低せん断タイプのスクリュエレメントを用いた場合に比べ,わずかではあるが,機械的特性の向上が見られた。これまで得られた結果を総合すると,適度なせん断をかけることがポリスチレン/クレー系ナンコンポジットの溶融混練に有効であることが示唆された。
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