分子シミュレーションによる類似物質の高選択性無機分離膜の探索と設計
Project/Area Number |
15760557
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Properties in chemical engineering process/Transfer operation/Unit operation
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古川 信一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (50333448)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 分子シミュレーション / ゼオライト / プロパン / プロピレン / エタノール / 水 / 吸着 / 無機膜 |
Research Abstract |
前年度に明確にした「強吸着成分が高い拡散能をもつ膜材料」の探索および設計が必要であるという指針を基に、類似分子系であるプロパン/プロピレンの膜分離に着目し、分子シミュレーションを用いて高性能膜材料の探索を行った。本年度では、NaA、NaX、NaY型ゼオライトを膜材料の候補として選び,吸着特性を検討した。その結果、Naイオンが含まれているNaA、NaX、NaY型ゼオライトの場合、骨格原子に部分電荷が存在しているため、分子内分極が大きいプロピレンの吸着力がプロパンよりも大きくなり、吸着分離係数が大きいことが分かった。 また、高性能分離膜の実現には、高選択性だけでなく高透過性を満たす必要がある。そこで、境界制御型非平衡分子動力学法を用いて、大きな透過抵抗(ポテンシャルバリア)が存在する膜出口の流出現象を解析した。その結果、膜出口のポテンシャルバリアを越える際、透過分子は膜原子からエネルギーを受け取り、そのエネルギー交換量は細孔内よりも膜外表面の方が多いことが分った。 最後に、膜の透過分離特性の解析・評価に強力な手法である境界制御型非平衡分子動力学法に新しいアルゴリズムを適用し、境界条件の透過側ガス組成が未知である混合ガスの透過を適切に再現する手法を開発した。この新しい手法を用いてモデル混合ガスの透過シミュレーションを行った結果、弱吸着成分の拡散係数が小さいと透過分離係数が増加することが分かった。つまり、本研究で提案してきた高透過かつ高分離選択性を実現する膜設計指針の有効性を、分子シミュレーションによって実証した。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)