Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
本年度は,本研究課題で解析を行っている遺伝子が,植物体内でどのような生命現象に関与しているのかを推定するために,植物体内においてデンプン貯蔵細胞分化,および脱分化を植物体内で検証できる実験系の構築とそれを制御する遣伝子の特定を進めた.これまでに,シロイヌナズナでは,水分屈性発現時に根端のデンプンを蓄積する細胞群であるコルメラ細胞においてアミロプラスト脱分化がおこることが示されている.そこで,この水分屈性発現過程においてコルメラ細胞内でどのような変化が起こることにより,デンプン貯蔵細胞の脱分化が起こるのかを観察により解析するとともに,当該遺伝子との関係の解析を試みた.その結果,テクノビット7100樹脂を用いた光学顕微鏡観察により,水分勾配刺激によりまず,デンプン貯蔵細胞内の液胞化が進行することが観察され,それに伴い細胞内デンプン粒が消失していくことが観察された.また,この現象は水分ストレスを与えるだけでも生じることも同時に観察された.さらに,この現象を担う生体内因子の探索を,種々の生体内因子を阻害する薬剤処理により行ったところ,カルシウムイオンのキレート剤であるEGTAを与えたときにデンプン粒消失が抑制されることが見いだされた.これらの結果を踏まえ,これらの現象と当該遺伝子との関係の解析を開始したが,現在のところ明瞭な結果は得られなかった.その原因としては,本研究で着目している遺伝子のホモログが関与していると考えられ,現在それらの種子もあわせて解析を行っている.これまでのデンプン貯蔵細胞分化,脱分化過程の研究成果について,総説集"Tobacco BY-2 cells, a new treatise"に発表を行うとともに,デンプン貯蔵細胞分化の有無で制御される植物の生理現象として,茎の回旋転頭運動があることを見いだし,この成果についても米国科学アカデミー紀要に発表した.
|