Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Research Abstract |
研究材料として,4種から構成されるコケタンポポ属(Solenogyne属)を用いた.コケタンポポ属のうち日本に自生するものはSolenogyne mikadoi(和名・コケタンポポ)1種のみであり,琉球列島のうち沖縄本島,奄美大島,西表島,徳之島に分布している.一方,残りの3種S.bellioides, S.gunnii, S.dominiiは全てオーストラリア産である.琉球産コケタンポポとオーストラリア産3種は,分子系統学的にも単系統群を形成する近縁種であるにもかかわらず,その外部形態は著しく異なっている.オーストラリア産3種はいずれも直径10cmほどのロゼット状の形態であるのに対し,琉球産コケタンポポは直径2〜3cmほどに矮化しており,その和名の通りあたかもコケのように見える.これらの植物種のうち,S.mikadoiとS.bellioidesの2種を用いて,以下の比較解析をおこなった.まず,細胞骨格(微小管,アクチン繊維)の阻害剤(それぞれコルヒチン,サイトカラシンD)が植物のマクロ形態および細胞形態に及ぼす影響を両種で比較した.その結果,マクロ形態・細胞形態の両面において,顕著な効果の差は観察されなかった.次に,間接蛍光抗体染色法により,微小管とアクチン繊維の配向を両種で比較観察した.この実験においても,両細胞骨格繊維の配向に顕著な差は観察されなかった.これらの薬剤投与実験および免疫細胞化学実験の結果により,コケタンポポ属各種の個体・細胞レベルでの形態差が,細胞骨格レベルでもたらされるわけでは無いことが示唆された.
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