LIMキナーゼとSlingshotの結合タンパク質の同定
Project/Area Number |
15770080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大橋 一正 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10312539)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | LIMキナーゼ / Slingshot / アクチン / コフィリン / タンパク質精製 / リン酸化 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
私たちは、細胞内アクチン骨格の脱重合・切断因子であるコフィリンを不活性化するLIMキナーゼ(LIMK)と活性化するSlingshot(SSH)の機能解析を行ってきた。コフィリンは、アクチン骨格のダイナミクスを調節する重要な因子の一つであるが、その活性の時間的・空間的な制御機構は未だ不明な点が多く残されている。細胞への増殖因子刺激において、LIMKは低分子量G蛋白質Rhoファミリーの下流で活性化されコフィリンをリン酸化(不活性化)するが、細胞内のコフィリンは全体として脱リン酸化(活性化)される。これは、SSHが協調したシグナルによって活性化されているためと考えられる。SSHはPI3キナーゼの下流で活性化されることが明らかとなっているが、Rhoファミリーの活性化とどのように連動しているかは不明であった。本研究は、protein Aの一部とカルモジュリン結合ペプチドの配列をタンデムに並べた精製用タグ(TAP-tag)を付加したLIMKとSSHを用いて、これらの活性調節因子、局在を規定する足場蛋白質の同定を試みた。この方法により、これまで非特異的に吸着した蛋白質によって隠れていた特異的な結合蛋白質の候補を、LIMK,SSH各々において検出することに成功した。それらを質量分析機によって解析した結果、SSHに結合した蛋白質の一つが、低分子量G蛋白質Rhoファミリーの活性化を行うグアニンヌクレオチド交換因子の一つであることが明らかとなった。これは増殖因子の刺激によってSSHと同様にラメリポディアに局在変化することから、SSHをラメリポディア内に集積させ、LIMKによってリン酸化されてアクチンから遊離したコフィリンを効率良く再活性化させる働きを持つことが示唆される。また、LIMKについては、LIMドメインに特異的に結合していると思われる蛋白質を検出していたが、質量分析による解析の結果、非特異的に吸着したものであることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)