多小胞体(MVB)形成関連タンパク質を中心とした細胞内小胞輸送制御機構の研究
Project/Area Number |
15770083
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 秀樹 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30314470)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | エンドソーム / リソソーム / 小胞輸送 / Multivesicular body (MVB) / 細胞生物学 / 分子生物学 / タンパク質間相互作用 / メンブレン・トラフィック |
Research Abstract |
Multivesicular body(MVB、多小胞体)は、その内部に多数の小胞を含むオルガネラであり、エンドソーム膜が陥入し内側に小胞が出芽することで形成される。内部小胞への物質選別は、細胞質からの確実な隔離と、リソソーム内腔への輸送に重要な役割を担う。本研究は、MVB形成に関与するアダプタータンパク質Alixとその相互作用因子に着目し、MVB形成の分子基盤を解明することを目的とした。昨年度、Alixの相互作用因子としてCHMP4a、4b、4cを同定し、CHMP 4bのエンドソーム経路で果たす役割を報告したが、本年度は、CHMP4の相互作用因子としてCHMP6に着目した。ヒトCHMPファミリーは8つのタンパク質から成るが、CHMP6は唯一、ミリストイル化のコンセンサス配列をもつ。放射性ラベルしたミリスチン酸を用い、CHMP6が細胞内でミリストイル化されることを示し、ミリストイル化部位の点変異体と野生型の局在を細胞生物学的、生化学的に解析したところ、CHMP6はミリストイル化により効果的に膜移行することが判明した。また、CHMP6はCHMP4に加え、MVB形成で機能するESCRT-II複合体の構成因子EAP20と直接結合した。CHMP6の過剰発現により、トランスフェリン受容体のリサイクリング経路とエンドサイトーシスされたEGFの分解経路の破綻、ユビキチン化タンパク質の蓄積が観察された。これらの結果は、CHMP6がESCRT-IIのアクセプターとして機能し、他のCHMPファミリーを効果的に膜に動員させている可能性を示唆している。また、細胞性粘菌のAlixホモログを遺伝子破壊したところ、低カルシウム濃度およびアルカリ性の環境下で子実体の形成率が顕著に低下した。細胞外環境応答と小胞輸送経路のクロストークが予想され、今後の研究の発展が期待される。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)