収縮環形成におけるアクチンのダイナミクスの制御機構
Project/Area Number |
15770122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中野 賢太郎 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (50302815)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | アクチン / ミオシン / 細胞質分裂 / 収縮環 / 細胞分裂 / 細胞骨格 / 分裂酵母 / 細胞運動 / 細胞周期 |
Research Abstract |
生物の増殖や個体発生に必須な細胞質分裂の分子機構を解明する目的で、収縮環の形成機構について細胞生物学的見地から解析した。特に、収縮環を構成するアクチン繊維のダイナミックな重合と脱重合の制御機構に注目するため、ADF/cofilin様のアクチン脱重合・切断タンパク質の機能とその関連因子について研究を行った。前年度までに、分裂酵母の収縮環の形成には、ADF/cofilinのホモログであるAdf1の機能が必須であることが分かっていた。今年度は、Adf1によるアクチンの脱重合と切断が、どのように収縮環形成に関わるか検討した。その結果、アクチンの脱重合は、分裂期初期に間期のアクチン構造体を脱会合し、分裂面にアクチンを供給するのに必要であることが分かった。さらに、この過程において、Adf1は他のアクチン調節タンパク質であるプロフィリンやキャッピングタンパク質と共同して働くことを明らかにした。一方、ADF/cofilinの切断活性を亢進するタンパク質を同定し、その機能を解析した。この遺伝子は単独で破壊した場合、細胞質分裂は正常に進行した。しかし、Adf1の活性を部分的に低下させた状態では、細胞増殖が著しく抑制された。一方、プロフィリンの活性低下においては、このような合成的な影響は認められなかった。興味深いことに、収縮環の主要なモータータンパク質であるII型ミオシンの活性低下と合成的な増殖阻害効果がみつかった。しかも、この細胞では、分裂面にアクチン繊維が重合するのだが、しっかりした環状の収縮環が形成されない。つまり、Adf1によるアクチン繊維の切断は、ミオシンによる収縮環のパッキング効率を高めることが示唆された。くれらの成果については、現在、論文を投稿中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)