心臓血管形成における新規のNotchシグナル伝達系標的遺伝子群hesrの機能解析
Project/Area Number |
15770148
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
小久保 博樹 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助手 (10270480)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | Notchシグナル伝達系 / hesr遺伝子 |
Research Abstract |
Notchシグナル伝達系の心臓血管形成における役割を解析するために、その標的遺伝子群であるhesr遺伝子に注目して研究を行っている。hesr1,2,3それぞれ単独の欠損マウスの解析の結果、hesr2欠損マウスにのみの異常を認めた。hesr2欠損マウスのほとんどは生後10日目までに死亡し、心臓の拡大が認められた。心エコー等による心機能の解析において、三尖弁および僧房弁の低形成による逆流および心筋の形成不全による収縮率の低下が認められた(Kokubo et al.,CirRes 2004)。現在成体まで生き残るマウスについても心エコー等による解析を行い、流出弁の形成不全における逆流を確認している。今後報告する予定である。また、心エコー解析時におけるマウスの心電図の計測方法を開発した(岩崎ら、呼吸と循環2004)。さらにhesr1/2ダブル欠損マウスを解析したところ、心臓血管系に重篤な異常を示し、胎生致死になることが判明した。10.5日目胚の心臓は、外見上単心室様構造になり、心室を構成する心筋の低形成が認められた。心筋は、胎生9.5日目位から心室外層の緻密層と、中心部の肉柱層に分かれ、左右心室を分ける心室中隔が形成されるが、ダブル欠損マウスでは肉柱層にアポトーシスが検出された。このことは、ダブル欠損マウス胚では、緻密層と肉柱層を形成することができるが肉柱層を維持できなくなり、心室中隔が形成されず、外見上単心室様構造となると考えられる。また、房室弁の形成に必要な房室境界部にある内皮から間充織細胞への変換がほとんど認められなかった。また血管系ではyolk sacの大血管系が形成されず、胚体の血管においては動脈の分子マーカーの発現が認められなかった。動脈としての性質を消失もしくは維持できなくなっていると考えられる。このようにhesr2単独欠損マウスより強い表現系を示し、hesr1/2二つの遺伝子が機能的に相補すると考えられる(Kokubo et al.DevBiol 2005)。今後、hesrによって制御される遺伝子を同定し、hesrを中心としたNotchシグナル伝達系によって発現制御される遺伝子カスケードを明らかにし、心臓血管形成における分子機構を解明していきたいと考えている。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)
-
-
-
[Journal Article] Targeted disruption of hesr2 Results in atrioventricular valve anomalies that lead to heart dysfunction2004
Author(s)
Kokubo, H., Miyagawa-Tomita, S., Tomimatsu, H., Nakashima, Y., Nakazawa, M., Saga, Y., Johnson, R.L.
-
Journal Title
Circulation Research 95
Pages: 540-547
Related Report
-
-