Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
人工林の施業区分を行う上で,野生動物の生息地評価は重要な評価基準の一つであると考えられる。野生生物の生息地を保全することは,環境の持続性という観点から重要な意味を持つだけでなく,食害の抑制など経済的にも重要な意義がある。野生生物の生息地を考慮した施業法を考えるためには,それぞれの野生生物の生息地に関する地域特性および季節変化を含めた詳細な情報収集と,施業自体が野生生物に及ぼす影響に関するさらなる研究,そしてそれらの科学的知見に基づいた施業および施業区分上の指針づくりが求められる。本研究では,大型野生動物(主にニホンツキノワグマ)の生息域を配慮した人工林の適切な森林配置における,情報収集手法および評価手法の確立を目的として,主に森林域におけるGPSの特性解析に関する研究を行った。 まず京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林において,ニホンツキノワグマの捕獲檻を設置し,捕獲された2頭にGPS首輪を取り付け,うち1頭の30ごとの行動データが得た。測位成功率は35%であった。しかしながら,本年のツキノワグマの行動は異常であり,予測以上に広域となったため,行動地点の植生調査の一部がまだ実行できていない。今後,地権者の許可が取れ次第,ツキノワグマの行動区分(休息,滞在,移動)と植生の関係を明らかにする。 また植生情報の収集手法として,レーザースキャナデータを活用するため,レーザースキャナデータからの植生情報の抽出手法について検討を行った。京都大学フィールド科学教育研究センター上賀茂試験地におけるレーザースキャナデータを用いて,実測値に対して平均誤差0.00mの高精度の地盤高抽出手法を開発した。さらに,これらの植生情報を用いた森林独自のGPS測位アルゴリズムの検討を行った。本研究の一連の成果は,GPSテレメトリデータからより精度の高い位置情報を取得し,森林配置を構築する手法の基礎となるものと考えられる。
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