作物におけるミトコンドリアから核ゲノムへの遺伝子転移の解析
Project/Area Number |
15780215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied molecular and cellular biology
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
久保 中央 京都府立大学, 農学研究科, 助教授 (60347440)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | イネ / オオムギ / コムギ / コムギ族 / ミトコンドリア / リボソームタンパク質遺伝子 / 遺伝子転移 / エンドウ |
Research Abstract |
植物ミトコンドリアのリボソームタンパク質遺伝子は、植物種間で比較的変異が大きいことが知られている。リボソームタンパク質S2遺伝子(rps2)は、単子葉植物イネ、コムギ、トウモロコシではミトコンドリアゲノムに存在することがこれまで明らかにされているが、多くの双子葉植物では遺伝子がミトコンドリアゲノムから消失している。 イネ、コムギ、トウモロコシのrps2遺伝子は、下等植物ゼニゴケのそれと比べてC末端側をコードする領域が大きく拡張していることが知られ、このC末端拡張領域の配列はイネ、コムギ、トウモロコシの三者で全く異なっている。そこで、このC末端拡張領域の由来を知るため、コムギやオオムギ、ライムギ等を含むコムギ族に関して、rps2遺伝子の構造を解析した。 植物種間で保存されている領域をプローブに用いてオオムギからrps2遺伝子を単離した。オオムギrps2遺伝子のC末端拡張領域は、イネ、コムギ、トウモロコシのいずれとも全く異なっていたが、栽培オオムギを含むオオムギ属の中では遺伝子構造がよく保存されていることが明らかになった。次に、コムギ族に含まれる約20種類の植物について調査したところ、オオムギと相同性のあるC末端領域を持つrps2遺伝子が10種あることが明らかになった。一方、コムギと相同性のあるC末端領域を持つrps2遺伝子は、調査に用いた全てのコムギ族植物に認められた。以上のことから、異なるC末端拡張領域を持つ2種類のrps2遺伝子型がコムギ族に異なって分布し、植物種によっては2種類のrps2遺伝子が混在することがわかった。 DNAデータベースに対して相同性検索を行った結果、rps2遺伝子はシロイヌナズナやマメ科植物などでは核ゲノムに存在し、これらの核のrps2はミトコンドリアゲノム上のそれとは異なり、C末端に拡張領域を持たないことが推察された。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)