スフィンゴミエリンの細胞内輸送機講と細胞機能への関与の解析
Project/Area Number |
15790063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長谷川 顕子 (山路 顕子) 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 研究員 (20332314)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | スフィンゴミエリン / ライセニン / 脂質輸送 / 脂質ラフト / 上皮細胞 / タイトジャンクション / 変異株 / コレステロール |
Research Abstract |
スフィンゴミエリンはコレステロールや糖脂質などとともに脂質ラフトと呼ばれるマイクロドメインを形成し、様々な細胞機能に関わっていると考えられている。本研究では、スフィンゴミエリンの細胞内輸送機構及びその機能を明らかにするために、スフィンゴミエリンに特異的に結合する毒素ライセニンを用いて研究を進めている。私はこれまでに、培養上皮細胞についてライセニン耐性変異株を樹立し、その性状解析を行ってきた。変異株ではスフィンゴミエリンの合成や含量には顕著な異常は認められないが、ライセニンやスフィンゴミエリナーゼに対する感受性が著しく低下していることから、スフィンゴミエリンの細胞内輸送機構あるいはスフィンゴミエリンを含む脂質ラフトの形成機構に異常があるものと推測される。ラジオアイソトープや蛍光分子で標識した脂質を用いてスフィンゴミエリンの形質膜への輸送やリサイクリングには明確な異常は見出せなかった。そこで変異株を糖脂質合成阻害剤で処理したところ、変異株の細胞表面にライセニンが結合できるようになった。また変異株は親株に比べて酸性糖脂質が有意に増加していた。これまでの研究結果から、膜中に糖脂質が共存すると脂質ラフトにおけるスフィンゴミエリンの分布状態が変化してライセニンの結合量が変化することがわかっている。ライセニン耐性株では、糖脂質組成が異常なために脂質ラフトにおけるスフィンゴミエリンの存在状態が変化しているものと考えられる。またライセニン耐性株ではタイトジャンクションに異常があることがこれまでにわかっている。脂質ラフトの重要な成分であるコレステロールについて、その合成や分布を変化させる薬剤で細胞を処理したところ、タイトジャンクション構築蛋白質の局在が変化した。これらの結果は、脂質ラフトが上皮細胞におけるタイトジャンクションの構築に関与している可能性を示唆している。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)