脂質成長因子受容体EDG-1の血管内皮における発現調節機構の解析
Project/Area Number |
15790119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
五十嵐 淳介 香川大学, 医学部, 助教授 (20346638)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / スフィンゴ脂質 / 血管新生 / 内皮型NO合成酵素 / G蛋白結合型受容体 / 成長因子 / G蛋白質結合型受容体 |
Research Abstract |
スフィンゴシン1リン酸(Sphingosine 1-Phosphate、S1P)は血小板に由来する脂質成長因子であり、血管内皮細胞のG蛋白結合型受容体であるS1P_1(EDG-1)を介して血管新生を促す。申請者は活性酸素分子種(Reactive Oxygen Species、ROS)が内皮細胞におけるS1P_1の発現レベルにどのような影響を与えるか検討した。ウシ大動脈由来の内皮細胞(BAEC)においてROSの一種である過酸化水素を細胞外から投与すると、用量依存的にかつ極めて急性なS1P_1蛋白質発現レベルの増加が観察される(ウエスタンブロット法、刺激後三十分で約十倍、EC_<50>=^〜50μM)。かかる過酸化水素によるS1P_1蛋白質発現レベルの増加はSrcファミリーチロシンキナーゼの阻害剤であるPP2により完全に抑制されたが、過酸化水素はS1P_1のmRNA発現レベルには有意な変化を与えなかった。過酸化水素によって前処置され、S1P_1を多量に発現したBAECでは、S1Pに対する反応性が有意に亢進していた(MAPキナーゼ及び内皮型NO合成酵素のリン酸化レベルはホスホウエスタン法で、また、細胞増殖能は試薬WST-8を用いて検討した)。一方過酸化水素は、内皮細胞に発現するもう一つのS1P受容体サブタイプであるS1P_3受容体の発現レベルには影響しなかった。動脈硬化や炎症などが進行している血管床ではROSの産生が亢進していることが知られているが、これらの結果はそのような条件下で過酸化水素が内皮細胞のS1P_1受容体蛋白質発現増加を介して血管新生を促進させる可能性を示唆するものである。今後、細胞生物学的な手法を用い、過酸化水素によるS1P_1受容体発現増加の生理学的意義をさらに詳しく検討する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)