Project/Area Number |
15790163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉田 清嗣 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (70345312)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | アポトーシス / DNA損傷 / プロテオミクス / キナーゼ / がん細胞 / c-Abl / PKCδ / Lyn / リン酸化 |
Research Abstract |
抗癌剤によって活性化されアポトーシスを誘導するキナーゼ群について、その細胞周期やアポトーシス誘導における役割を明らかにするために、キナーゼcDNAにタグを挿入し、細胞に発現させた後、LC-MS/MSによるプロテオーム解析にて複合体を単離した。c-AblチロシンキナーゼとプロテインキナーゼCδ(PKCδ)について複合体の同定並びに解析を進め、その中で両方のキナーゼに共通の基質となるhRad9について機能解析を行った。hRad9は分裂酵母Rad9のヒトホモローダであり、細胞周期チェックポイント機構を担うと考えられている核蛋白である。またBcl-2/xLと会合し、アポトーシスを誘導することが明らかにされたが、その制御機構は不明であった。申請者はまずc-AblがRad9と結合し、BH-3 like domainのチロシンをリン酸化することを見い出した。またこのリン酸化がBcl-2/xLとの会合に必要であり、かつアポトーシス誘導に必須であることを明らかにした。次に、Rad9の恒常的かつDNA損傷で誘導されるリン酸化を担う主要なキナーゼとしてPKCδを同定した。PKCδによるリン酸化はRad9-Hus1-Rad1複合体形成に必要であり、またPKCδの活性阻害による脱リン酸化状態のRad9ではもはやBcl-2と会合できないことを示し、PKCδによるアポトーシス誘導のメカニズムの一端が明らかとなった。さらに種々の手法を用いてこれらのキナーゼの細胞内局在を調べたところ、DNA損傷に伴って核に移行することを見い出した。核への移行はキナーゼの活性化依存的かつアポトーシス誘導に必須であり、あるがん細胞ではこの核移行が阻害されていることを明らかにした。またこの核移行機能不全が薬剤耐性獲得に関わっているという可能性を示唆する結果を得ており、現在より詳細なメカニズムを明らかにしようと試みている。
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