EBウイルスRK-BARF0による上皮細胞癌化及び腫瘍形成におよぼす影響の解析
Project/Area Number |
15790243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
草野 秀一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10350662)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ウイルス / 発現制御 / 感染症 / タンパク質 / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は、Epstein-Barrウイルス(EBV)陽性上咽頭がんで多量に発現されているmRNAにコードされているタンパク質であるRK-BARFOが、Wntシグナルの抑制因子として知られる、その宿主標的タンパク質であるI-mfaの機能に及ぼす影響を解析し、EBVによる上皮細胞癌化機構を解明することを目的に行った。 昨年度は以下の3点を明らかにした。(1)RK-BARFOはWntシグナルの抑制因子として知られる宿主タンパク質であるI-mfaと細胞内で相互作用する。(2)この相互作用はRK-BARFOの核移行を阻害し、RK-BARFOの細胞質における蓄積を促進する。(3)RK-BARFOはI-mfa依存的なWntシグナルの抑制を解除する。 それに加えて、本年度は、このRK-BARFOの作用は、I-mfaとTCF/LEFとの結合にRK-BARFOが直接的に競合することにより、I-mfaとTCF/LEFの結合が阻害された結果として起こることが、in vitro及びin vivoにおける免疫沈降実験により明らかとなった。また、EBウイルスの潜伏感染膜タンパク質であるLMP2Aは、Wntシグナル伝達経路の上流に位置するリン酸化酵素であるAktを活性化することでWntシグナルの促進を行うことが知られている。そこで、Wntシグナルの促進に対して、RK-BARFOとLMP2Aが、協同的に作用するのかどうかをレポーターアッセイにより検討した。その結果、RK-BARFOとLMP2Aは相乗的にWntシグナルを促進することが明らかになった。 以上の結果から、RK-BARFOは、I-mfaのWntシグナル抑制機能を阻害するタンパク質であること、及び、EBVは、Aktの促進及びI-mfaの阻害という2つの作用でWntシグナルの促進を行い、上皮細胞の癌化を促進させている事が強く示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)