リステリア感染における樹状細胞の役割とその分子機構
Project/Area Number |
15790253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
永井 重徳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50348801)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 樹状細胞 / 感染免疫 / PI3K / リステリア / Internalin B / c-Met / IL-12 |
Research Abstract |
リステリアはヒトにおいて胃腸炎のほか、妊婦における早産や流産さらには母子感染による新生児の髄膜炎を引き起こすグラム陽性菌である。リステリアの排除には、樹状細胞が産生するIL-12によって誘導されるNK、Th1あるいは抗原提示細胞からのIFNγが重要な役割を果たすと考えられる。本研究ではリステリアの持つ因子であるinternalin B(inl B)と受容体c-Metの相互作用によるphosphoinositide 3-kinase(PI3K)の活性化が樹状細胞に及ぼす影響を調べ、リステリア感染における生体防御との関連を検討している。 骨髄由来樹状細胞に野生株(wt)あるいはinl B欠損株(Δtinl B)に、(細菌の増殖を抑える為)熱処理死したリステリア(HKL)を加えて24時間培養しその培養上清中のIL-12を測定したところ、MOIが10以上で作用させた場合にΔinl Bを加えた方の産生量が多かった。また、それぞれのリステリアを野生型マウスに半致死菌数の1/10量を静脈内投与し血清中のIFNγを経時的に測定したところ、産生量がピークに達する投与2日後において、Δinl Bを感染させた群で有意に高かった。またこの現象は、rag-2欠損マウス(T、B細胞が存在しない)においても見られ、NKあるいは抗原提示細胞からのIFNg産生が増大していることが示唆された。以上のことから、リステリアが樹状細胞に感染する際にinl Bがc-Metを介してPI3Kを活性化出来なくなると、感染初期の樹状細胞からのIL-12産生が増大し、それによって活性化されたNKあるいは抗原提示細胞からのIFNγ産生が増大することが、in vivoにおいて示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)