Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究では、オゾン層破壊物質に指定され、2005年から使用が禁じられている燻蒸剤臭化メチルの代替物質であるプロピレンオキシド曝露作業者の曝露評価および健康影響調査を行うことを目的とする。曝露作業者の健康管理を行うために、性・年齢をマッチさせた非曝露作業者を含む時間断面研究を行った結果は、当該作業者の健康管理、作業管理、作業環境管理に十分な成果となると共に、本結果からもたらされる曝露量-影響関係は、これらの燻蒸剤作業者の健康管理を行う上での有益な情報となり、産業保健上有意義である。臭化メチル代替物質(沃化メチル、プロピレンオキシド、フッ化スルフリル、イソチオシアン酸メチル)に関しては、現在まで個人曝露濃度測定及び生体試料(尿または血液)による曝露量評価である生物学的曝露指標に関する研究、更に曝露限界値を設定に重要な情報である曝露量-反応関係のある疫学調査研究も得られていない。2002年度頃より原料である沃素生産量が少ないため、より価格が高くなる沃化メチルに比してプロピレンオキシドの使用量が増加する、と考えられていた。しかし実際は2004年度まで使用が可能であった臭化メチルの駆け込み需要が増加し、プロピレンオキシド導入はかなり遅れた。その中で平成15年度よりプロピレンオキシド曝露によって生体内で生じると仮定した生体試料(血液、尿)中代謝物質の測定法の確立につとめ、尿中代謝物の測定方法について確立した。その上で予定していた作業者より少数の曝露者の曝露及び健康調査を施行した。現時点で曝露量が少ないためか、量反応関係を得るには至っていない。
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