Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
ポリシスチン2をbaitとしたTwo Yeast Hybrid Systemにより同定したCD2APの細胞内発現および正常腎および嚢胞腎の組織学的検討をするために、まず、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(以下GST)融合蛋白を抗原としたCD2 Associated Protein(以下CD2AP)に対するポリクローナル抗体を作製した。さらに、PKD2遺伝子およびCD2AP遺伝子を発現ベクターに挿入し、培養細胞内で発現、既存の抗ポリシスチン2抗体と今回作製したCD2APポリクローナル抗体を用いて細胞内の共発現を検討した。発現ベクターにEpitope特異的なアミノ酸配列を付加し、その後PKD2遺伝子およびCD2AP遺伝子のcDNAの各open reading frameを融合させた。挿入する各遺伝子は、遺伝子全長及びTwo Yeast Hybrid Systemで相互作用を持つと考えられた各々のC末端の遺伝子を含む全長約600bp〜1kbを使用した。続いて、M1cell(Mouse kidney cortical collecting duct epithelial cell)を用いて、Epitope特異的な抗体と今回作製したCD2APポリクローナル抗体を併用することで、その有用性を検討した。さらに、これら両遺伝子を培養細胞内で発現、各々の細胞内発現の局在部位の同定、細胞内共発現の検討、免疫沈降法などにより両者蛋白の関連性を検討した。ポリシスチン2及びCD2APの培養細胞内の局在部位は細胞内に一致して観察された。また、免疫沈降法によりこれら2つの蛋白の関連性が示唆された。さらに、これらの両者蛋白の関連性をin vivoで検討するために、既存の抗ポリシスチン2抗体と今回作製したCD2APポリクローナル抗体を用いてマウス正常腎の組織学的検討を加えた。マウス腎臓においても、主に遠位尿細管におけるポリシスチン2とCD2APの局在部位は細胞内に一致していた。今後、嚢胞腎モデルマウスの腎臓の組織学的検討も行う予定である。