Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
2型糖尿病の全ゲノムマッピングにより連鎖の示唆されるゲノム領咳を報告し、2型糖尿病候補遺伝子とその遺伝子多型の効率的選択を行った。(1)3q27領域:アディポネクチン遺伝子を候補遺伝子とし、遺伝子多型の抽出と選択をおこなった。アディポネクチン遺伝子の既知の遺伝子多型についてプロモーター領域とエクソン内にあるSNPと2型糖尿病との相関がフランス白人に認められ、パスツール研究所のフローゲルらは主任研究者と共同にて日本人の糖尿病罹患同胞対パネルにおける連鎖と相関の検討を報告した。日本人の2型糖尿病症例においてこれらプロモーター領域のSNPの重要性について更に検討を行う。(2)11p13-p12領域:主任研究者は、日本人2型糖尿病の全ゲノムマッピングにより連鎖の示唆された染色体11p13-p12領域はこれまで他の人種では報告がないことから、日本人に特に重要な糖尿病感受性遺伝子の存在する可能性を考えている。この領域の遺伝子データベース検索より膵発生に深く関与する転写因子であるPAX6遺伝子が存在したことから、PAX6を候補遺伝子とし既知の遺伝子多型を抽出した。(3)15q領域:15q領域はメキシコ系アメリカ人における全ゲノム解析報告と共通しており、この領域に存在するカルパインファミリーの遺伝子であるカルパイン3遺伝子を候補遺伝子として抽出した。(4)培養β細胞における遺伝子プロファイリング解析:インスリン分泌や膵β細胞機能の保持に関連する蛋白が重要であり、国立国際医療センター代謝疾患研究部との研究協力による膵β細胞での遺伝子発現プロファイリングの成果と照合して、候補遺伝子の選択を効率化する。インスリン分泌を増強する作用の報告されている副腎アンドロジェンによる膵β細胞でのプロファイリング解析を行い、副腎アンドロジェン刺激により発現の増加する遺伝子群を同定した。今後これらの遺伝子の遺伝子多型を抽出する。