乳児白血病の遺伝子発現プロファイル解析と診断・治療への応用
Project/Area Number |
15790519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堤 修一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員 (30345152)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | MLL遺伝子再構成 / 乳児白血病 / マイクロアレイ / 遺伝子発現プロファイル / 白血病 / MLL遺伝子 / 転座 |
Research Abstract |
MLL遺伝子の再構成を有する22例の乳児ALL(リンパ芽球性白血病)を含めて、t(1;19)7例,t(12;21)6例,の計35例の乳児ALLの遺伝子発現プロファイルをマイクロアレイ(GeneChip U95A v2,Affymetrix)にて解析した。これらの遺伝子発現プロファイルを、主成分分析(PCA)法と2方向クラスター解析を用いた解析を行うと、乳児ALLは転座型に応じて分類されることを見出した。それぞれ転座型に特徴的に発現する遺伝子を抽出した。 MLL遺伝子再構成を有する白血病では乳児白血病の大半を占める。これらMLL遺伝子再構成を有するALLサンプルはt(4;11),t(5,11),t(11;19)の転座型であったが、転座型によらずに大きく2つの発現パターンに分かれた。この2つのサンプル群では、発症年齢・性別・治療法に差は認められなかった。しかし、予後において、一方の群は非常に不良であり、有意な差を示していた。さらに、予後良好群と予後不良群の間で遺伝子発現スコアが異なる遺伝子群を抽出した。予後良好群で5個の、予後不良群では2個の転写因子が認められた。 MLLの遺伝子再構成を有するALL細胞株6例も同様のマイクロアレイにより解析を行い、他施設における同種のALLの遺伝子発現プロファイルも加えるなどサンプル数を増やし、上記判別遺伝子群で分類した。その結果、細胞株は全て予後不良群に分類された。また、他施設での遺伝子発現でも同様の2種類の分類となった。しかし、年長児の遺伝子発現プロファイルでは分類不能群となっている例が数例認められ、遺伝子発現プロファイル上では全く異なる発現パターンであった。遺伝子発現プロファイルによって、白血病の予後判定が可能で、治療の判断材料となりうることが示される。また加えて複数の白血病発症機序の解明に役立つことが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)
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[Publications] Shuichi Tsutsumi, Takeshi Taketani, Kunihiro Nishimura, Xijin Ge, Tomohiko Taki, Kanji Sugita, Eiichi Ishii, Ryoji Hanada, Misao Ohki, Hiroyuki Aburatani, Yasuhide Hayashi: "Two distinct gene expression signatures in pediatric acute lymphoblastic leukemia with MLL rearrangements"Cancer Research. 63(16). 4882-4887 (2003)