皮膚細菌感染症におけるPanton-Valentine型ロイコシジンの役割
Project/Area Number |
15790581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山崎 修 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90294462)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / せつ / 毒素 / 皮膚 / Panton Valentine / ロイコシジン / 好中球 / 細菌感染症 / 黄色ブトウ球菌 / Panton-Valen |
Research Abstract |
1.PVL産生黄色ブドウ球菌の疫学的研究 本邦での皮膚細菌感染症から分離された黄色ブドウ球菌161株についてPVL産生株をPCR法で選別した。PVL遺伝子陽性株は、せつ40%、よう22%、皮下膿瘍5%で認められた。伝染性膿痂疹、浅在性二次感染、深在性二次感染、丹毒、慢性膿皮症では検出されなかった。本邦でもPVLは深在性皮膚感染症に偏在していたがフランスと比べ低率であった。せつについてPVL陽性例と陰性例を比較し、PVL産生黄色ブドウ球菌によるせつは臨床的には基礎疾患のない若年者に多く、有意に発赤の強く、多発しやすいことがわかった。腫脹、疼痛については有意差は認められなかった。細菌学的にも比較し、コアグラーゼ型、MRSAの頻度、他の毒素(ETA, ETB, TSST-1,SEA, SEB, SEC, SED)の検出頻度は有意なものは認められなかった。せつ、せつ腫症の発症には糖尿病などの宿主側の要因とPVLなど菌側の要因が強く関与していると考えた。またPVL遺伝子陽性のせつの特徴は続発する可能性のある壊死性肺炎の予防につながると考えた。 2.PVLによる深在性皮膚感染症の病態形成 ウサギ皮膚にPVLを接種すると、組織の壊死を生じる。せつ類似モデルを作製し、PVL産生株と非産生株を接種して比較したが組織学的には差は認められなかった。免疫抑制ウサギでもPVL産生株と非産生株を接種したが同様の結果であった。それぞれのgene knockout mutantの組み合わせた株の中で、PVLが高発現される株をウサギ皮膚に接種しコントロール株と比較し、菌の培養上清では有意差がみられたが、菌自体では有意差はみられなかった。PVLの発現には特殊な環境が必要であることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)